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真鍋 征也*; 渡辺 幸信*; Liao, W.*; 橋本 昌宜*; 中野 敬太*; 佐藤 光流*; 金 政浩*; 安部 晋一郎; 濱田 幸司*; 反保 元伸*; et al.
IEEE Transactions on Nuclear Science, 65(8), p.1742 - 1749, 2018/08
被引用回数:8 パーセンタイル:62.99(Engineering, Electrical & Electronic)近年、半導体デバイスの放射線耐性の低下に伴い、二次宇宙線ミューオンに起因する電子機器の誤動作現象が注目されている。本研究では、J-PARCにおいて半導体デバイスの設計ルール65nmを持つUTBB-SOI SRAMへミューオンを照射し、シングルイベントアップセット(SEU: Single Event Upset)断面積のミューエネルギーおよび供給電圧に対する依存性を明らかにした。実験の結果、ミューオンの照射エネルギーが35MeV/cから39MeV/cの範囲では、正ミューオンに比べて負ミューオンによるSEU断面積が2倍から4倍程度高い値となった。続いて、供給電圧を変化させて38MeV/cのミューオンを照射したところ、電圧の上昇に伴いSEU断面積は減少するが、負ミューオンによるSEU断面積の減少幅は、正ミューオンと比べて緩やかであることを明らかにした。さらに、PHITSを用いて38MeV/cの正負ミューオン照射実験を模擬した解析を行い、負ミューオン捕獲反応によって生成される二次イオンが、正負ミューオンによるSEU断面積のミューエネルギーおよび供給電圧に対する傾向の差異の主因となることが判った。
瀬口 忠男*; 田村 清俊*; 工藤 久明*; 島田 明彦; 杉本 雅樹
IEEE Transactions on Dielectrics and Electrical Insulation, 22(6), p.3197 - 3206, 2015/12
被引用回数:28 パーセンタイル:76.71(Engineering, Electrical & Electronic)原子力発電所のケーブル絶縁材料であるエチレンプロピレンゴム(EPR)の熱劣化,放射線劣化,熱放射線複合劣化による分解過程を詳細に調べた。熱劣化は空気中で100あるいは175Cの加熱、放射線劣化は空気中で0.25あるいは1.0kGy/hの線を最大400kGyまで照射することで評価した。また、熱放射線複合劣化として、熱劣化後に放射線劣化を行う逐次劣化,放射線劣化後に熱劣化を行う逆逐次劣化を調べ、熱放射線同時劣化を模擬可能な試験方法を検討した。EPRに添加された酸化防止剤は熱酸化を抑制するが、その消費、減少によって酸化生成物の量が増大し、力学特性が低下することを明らかにした。また、逐次劣化は熱放射線同時劣化と異なる挙動を示したのに対し、逆逐次劣化では類似の結果が得られた。したがって、EPRを絶縁材に用いたケーブルの寿命評価には、逆逐次劣化試験が適していることを明らかにした。
長谷川 和男; 水本 元治; 伊藤 伸夫*; 小栗 英知; 戸内 豊*; 村田 裕彦*; 草野 譲一
Journal of Nuclear Science and Technology, 34(7), p.622 - 627, 1997/07
被引用回数:10 パーセンタイル:63.12(Nuclear Science & Technology)原研における大強度陽子加速器の要素技術開発の一環として、高周波4重極リニアック(RFQ)が設計・製作された。本研究におけるRFQは、加速エネルギー2MeV、電流100mA(ピーク値)、デューティーファクターが10%の陽子ビームの加速を目指す。RFQのビーム加速試験が行われ、プロファイル、エネルギースペクトル、エミッタンス等の特性が測定され、シミュレーション計算と比較された。本ビーム加速試験の結果では最大70mAの電流値でデューティー7%の値が得られた。このRFQの性能は、現在稼動中の加速器としては世界有数のものであり、この技術開発の結果、加速器入射部の大強度運転の見通しが得られた。
松本 征一郎; 三田村 久吉; 相沢 作衛; 菊地 章
KAERI-NEMAC/TR-32/95, 0, p.199 - 209, 1995/00
加速試験用試料として1.61wt%のキュリウム線源を添加したシンロックを作製するため、セル内仮焼装置とセル内ホットプレスを開発した。仮焼装置により、スラリー状のシンロック原料を750Cで2時間仮焼し、良好な仮焼体を得た。この間のオフガス系への粉末飛散量は無視出来る量であった。出来た仮焼体から、1200C、29MPa、2時間のホットプレスにより4個の良好なペレット状試料を作製した。ホットプレスから1ヶ月後に測定したこれらの試料間の密度のばらつきは0.07%以下と小さいものであった。さらに継続的な密度測定から、崩壊線量の増加に伴って5000相当年のシンロックに1%の密度減少が生ずることが明らかとなった。
八木 敏明; 瀬口 忠男; 奥田 智昭*; 金光谷 和彦*; 古川 清志*
三菱電線工業時報, (87), p.38 - 44, 1994/04
原子力発電所で使用される電線絶縁材料であるPVC、シリコーンゴム、EPゴムおよび2種類のノンハロゲン難燃架橋ポリオレフィンの実験配合について、熱と放射線による複合劣化を加速試験により調べ、寿命推定を行う研究を行なった。基準とする使用環境(1Gy/h,50C)での劣化速度の50倍から1000倍の加速劣化を行い、機械特性の変化を調べた。いずれの材料の場合も、今回試験した加速倍率の範囲において、破断伸びの低下速度は加速倍率にほぼ比例して増加し、その劣化挙動は各加速倍率において相似である。逐次劣化の加速試験により求めた寿命は同時劣化場合とほぼ一致した。さらにEPゴムについて酸化防止材の種類による複合劣化への影響を調べた結果、耐放射線性改良効果の大きなある種の酸化防止剤を用いると、大幅に推定寿命が長くなることがわかった。
八木 敏明; 瀬口 忠男; 奥田 智昭*; 金光谷 和彦*; 橘 忠男*
三菱電線工業時報, (84), p.11 - 17, 1992/10
原子力発電所で使用される電線・ケーブルの絶縁およびシース材料について、熱と放射線による複合劣化を加速試験により調べ、実使用環境での寿命を推定する手法を検討した。エチレンプロピレンゴム(EPゴム)およびクロロスルホン化ポリエチレン(CSM)の実験配合を用い、基準の使用環境(1Gy/h,50C)での劣化速度の50倍~1000倍になるよう加速劣化(同時劣化および逐次劣化)を行い、機械特性の変化を調べた。加速倍率50倍~1000倍における破断伸びの低下速度はEPゴムおよびCSMとも加速倍率にほぼ比例して増大し、その劣化挙動は各加速倍率において相似であった。また、EPゴムでは逐次劣化の加速試験より求めた寿命が同時劣化の場合よりも若干長くなる傾向を示したが、CSMでは両方の試験で求めた寿命がほぼ一致することがわかった。
八木 敏明; 瀬口 忠男; 奥田 智昭*; 金光谷 和彦*; 橘 忠男*
DEI-91-126, p.45 - 53, 1991/12
原子炉の重要な機器の一つである電線・ケーブルの寿命を出来る限り、短時間の試験で推定する試験法を開発するために、電線に広く使用されている高分子材料の放射線と熱の加速試験を行った。EPR、ハイパロンについて、基準の使用環境(1Gy/h,50C)での劣化速度の50倍~1000倍の加速劣化(同時劣化および逐次劣化)を行った。劣化の度合は機械特性の変化より調べた。EPR、ハイパロンとも加速倍率50倍~1000倍の範囲における破断伸びの低下速度は加速倍率にほぼ比例して増大し、その劣化挙動は各加速倍率においてよく似ている。また、50倍~1000倍加速試験より求めた寿命の精度はEPRで3年、ハイパロンで1年であった。EPRは逐次劣化の加速試験で求めた寿命が同時劣化試験より若干大きい傾向を示すが、ハイパロンは両方の試験でよく一致することが分かった。
上薗 裕史; 馬場 恒孝
Journal of Nuclear Science and Technology, 23(8), p.755 - 758, 1986/00
被引用回数:4 パーセンタイル:60.21(Nuclear Science & Technology)14Cで天然の地下水中で浸出させたガラス固化体と、70Cの合成地下水中で浸出させたガラス固化体とを比較し、両者が次の2点で類似していることを見出した。第1に、天然の地下水中で起こる不均一な浸出(10m程度の長さの多数の溝の生成)は、合成地下水70Cの浸出でも起こる。第2に、希土類元素の濃縮した粒子のガラス表面への付着が、どちらの条件でも起こる。この結果は、70Cの合成地下水中での浸出試験によって、14Cの天然地下水中での浸出試験の加速した結果が得られることを示唆する。浸出率で比較した場合には、約25倍の加速試験になっている。
伊藤 政幸; 日馬 康雄; 八木 敏明; 岡田 漱平; 吉川 正人; 吉田 健三
EIM-83-122, p.65 - 72, 1983/00
典型的な絶縁配合エチレン-プロピレンゴムを種々の環境下で照射し、機械的、電気的物性を測定して次の二つの観点から考察した。1)照射劣化の温度依存性:機械的性質は70~125Cの範囲内では温度依存性が少ないが140Cでは伸びの低下がいちじるしい。絶縁抵抗は110Cまではほとんど温度依存性がなく、それ以上の温度でははげしい温度依存性を示し、高温での酸化劣化のはげしさをうかがわせる。2)時間短縮試験方法:室温で低線量率長期間照射に等価な時間短縮試験方法として酸素加圧照射の他に酸素の拡散速度を高める方法を試みた。具体的には材料が熱劣化しない70Cで照射する方法である。この方法も酸素加圧照射同様電気的にも機械的にも時間短縮試験方法になり得ることがわかった。
白石 健介
高温学会誌, 6(5), p.179 - 186, 1980/00
軽水炉の材料の照射損傷の評価は材料試験炉を利用した加速試験によって容易に実施することが出来る。高速増殖炉の炉心材料については、中性子照射以外の方法によって加速試験を行わなくてはならない。加速器を用いた重イオン照射は、高速炉の炉心材料の中性子照射の模擬試験として大きな成果を上げてきた。すなわち、高速炉の炉心材料のスエリングの機構が明らかにされ、スエリングによる寸法変化を少なくするための対策も立てられるようになってきた。しかし、長い耐久寿命を期待するならば、照射によって誘起される析出物のスエリングに及ぼす効果について、検討を要する。炉心材料の照射脆化については加速器を利用した重イオン照射の実験はそれほど有効ではない。高速増殖炉の炉心材料の機械的性質の変化や核融合炉材料の中性子照射一般については、照射損傷の本質を理解するための基礎的な研究のほかに、加速度試験の方法そのものを工夫することが必要である。
妹尾 宗明; 馬場 恒孝; 田代 晋吾; 下岡 謙司; 荒木 邦夫; 天野 恕
JAERI-M 8571, 9 Pages, 1979/11
高レベル廃棄物固化体の長期安定性の評価及び、地層処分条件を考慮した浸出率測定を行なうため、新たに耐圧ソックスレー型浸出率測定装置の開発を行なった。この装置を用いて、100Cから300Cまでの間の模擬廃棄物ガラス固化体の浸出率温度依存性の検討を行なった。295Cにおける浸出率は、100Cにおける値に比べ、セシウムでは約20倍、ナトリウムについては約7倍の増加が認められた。処分地層内では、処分初期においては、固化体近傍で、約100Cになることが予想されるので、高温における浸出率の評価は不可欠なものである。また、長時間の浸出率の評価を行うためにも、本装置は、高温における加速浸出試験法として適用可能である。